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『母屋の約束』第7章——築90年の家で交わした、日本の未来への誓い

左が森山(55歳)。右が成田(57歳)。取材は、市内のホテルのラウンジで行われた。 記者は、30代半ばの女性。経済部で少子化問題を担当しているという。 彼女は、ノートパソコンとICレコーダーを取り出した。

※この物語は政策エンタメのメソッドによって書かれたフィクションです。

目次

第7章:メディアの注目

東西経済ネットの取材

取材は、市内のホテルのラウンジで行われた。

記者は、30代半ばの女性。経済部で少子化問題を担当しているという。

「成田さん、森山さん、今日はお時間いただきありがとうございます。」

彼女は、ノートパソコンとICレコーダーを取り出した。

「ブログ、拝見しました。非常に興味深い提案だと思います。」

「ありがとうございます。」

私と森山は、顔を見合わせた。

「まず、お二人がこの提案をするに至った経緯を、詳しく聞かせてください。」


森山の物語を語る

森山が、自分の生い立ちを語り始めた。

幼少期に祖父母の養子になったこと。

祖母に育てられ、愛情深く、厳しくも優しい日々を過ごしたこと。

瓜原という町で、地域の人々と繋がりながら育ったこと。

そして、祖母が亡くなり、母屋をどうするか悩んだこと。

「新築の方が安かった。でも、この家を壊したら、祖母との思い出も、この町の記憶も消える。それが嫌だった。」

記者は、メモを取りながら真剣に聞いていた。

「そして、リノベーションが完成した時、成田先輩を招待したんです。」

「そこで、日本の少子高齢化について語り合った。」

俺自身が、祖父母育ての生き証人なんです。


私の実例を語る

次に、私が息子たちのことを語った。

岡山の大学と北海道の大学に進学したこと。

毎月のように会いに行っていること。

「関係人口レベルの訪問数ですよ(笑)」と冗談を交えながら。

そして、実家にいた時より、今の方が会話しているという事実。

「一緒に住んでた時、息子たちは部屋にこもってスマホばっかりでした。会話は、LINE。『ご飯だよー』と叫んでも返事なし。LINEで『ご飯』と送ると『スタンプ』だけ(笑)。」

「それなら、岡山でも北海道でも、沖縄でも、同じじゃないですか?」

記者は、笑いながらうなずいた。

「確かに…うちもそうです。」


経済合理性を説明

森山が、経済的な側面を説明した。

「保育園に月10万払うより、祖父母に月10万払う方が、家庭にとっても社会にとってもメリットが大きい。」

「祖父母は年金だけでは不安だから、養育費が入れば助かる。親は保育園の送り迎えから解放され、フルタイムで働ける。子どもは祖父母の愛情を受けて、のびのび育つ。」

「しかも、地方経済も活性化する。親が地方に通えば、交通費、宿泊費、飲食費が地域に落ちる。」

全員がWin-Win-Win。

記者は、真剣な表情で聞いていた。

「これ、税制優遇を組み合わせれば、国の財政負担も軽くなりますよね?」

「その通りです。保育園への補助金より、税制優遇の方がコストが低い。しかも、祖父母が消費すれば税収も増える。」


記者の質問——批判への反論

「ただ、SNSでも批判がありますよね。『親子を引き離すのか』『かわいそうだ』という声も。」

記者は、率直に聞いてきた。

「それについては、どうお考えですか?」

私は、答えた。

「『一緒に住んでる = 良い親子関係』という固定観念を、見直すべきだと思います。」

「現代の技術があれば、離れていても毎日顔を見られる。ビデオ通話、LINE、写真や動画の共有。」

「むしろ、毎日顔を合わせてもイライラしているより、月に一度でも笑顔で濃密に過ごす方が、子どもは幸せじゃないでしょうか。」

森山も、続けた。

「俺自身が、祖父母に育てられました。親とは離れて暮らしてたけど、全然寂しくなかった。」

「むしろ、親と会った時は、お互い笑顔で、濃密に過ごせた。」

『離れてるからかわいそう』は、幻想です。

記者は、深くうなずいた。


取材終了

取材は、2時間に及んだ。

「非常に興味深いお話でした。記事にまとめて、来週公開します。」

記者は、そう言って立ち上がった。

「お二人の提案、本当に日本を変える可能性があると思います。応援しています。」

その言葉に、私たちは励まされた。


記事の公開

1週間後、東西経済ネットに記事が掲載された。

タイトル:「少子化を解決する『祖父母育てモデル』——母屋から生まれた、日本の未来への提案」

記事は、私たちの物語を中心に、データ、経済合理性、海外事例を織り交ぜた、良質な内容だった。

公開後、すぐにバズった。

ポータルサイトニュースのトップに載り、SNSで爆発的に拡散された。


第6章目次第8章

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