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『母屋の約束』第3章——築90年の家で交わした、日本の未来への誓い

左が森山(55歳)。右が成田(57歳)。この二人が古民家の土間のテーブルでビールコップをもって飲んでいる。おつまみは5種盛りのつまみ。ほろ酔いの二人ががっちり握手を交わしている。

※この物語は政策エンタメのメソッドによって書かれたフィクションです。

目次

第3章:世界へのソリューション

さらに酒を重ねながら

夜が更けてきた。

私たちは、さらに酒を重ねた。

「先輩、これ、諸外国ではもう普通なんですよ。」

森山は、続けた。

「中国では、都市部の共働き夫婦は、祖父母に子どもを預けるのが一般的。親は都市で働いて稼ぎ、祖父母は地方で孫を育てる。役割分担が最適化されてる。」

「アメリカでも『Grandfamilies』って呼ばれて、一定数いる。ヨーロッパの南欧でも、祖父母の育児参加率は50%超。」

「つまり、世界ではすでに実践されてるモデルなんです。日本だけが『親が育てるべき』という固定観念に縛られてる。」

私は、少し驚いた。

世界では、すでに普通のことなのか。

「でも、日本がこれを制度として確立すれば、それは世界標準になる。」

森山は、力強く言った。

「日本が、税制優遇、法的枠組み、文化的受容のプロセス、成功指標の測定——全部を体系化する。」

「そして、韓国、台湾、シンガポール、ヨーロッパに輸出する。」

日本が『世界の教師』になれるんです。


「これ、国防でもあるんですよ」

森山は、さらに続けた。

「先輩、少子化って、国防問題でもあるんですよ。」

「国防?」

「人がいなければ、自衛隊も動かせない。経済が縮小すれば、防衛費も出せない。地方が過疎化すれば、国境地帯が脆弱になる。」

人口減少は、最大の安全保障リスクです。

「だから、少子化を止めることは、国を守ること。人と教育を充実させることが、最強の国防なんです。」

その言葉に、私は深くうなずいた。

確かに。

軍事費を増やしても、人がいなければ意味がない。

経済力が落ちれば、防衛費も出せない。

人口減少こそが、日本の最大の危機だ。


私の決意

「森山の言うことは、よくわかった。」

私は、酒を飲み干して言った。

「でも、これ、どうやって世に出すんだ?」

「ブログですよ。」

森山は、即答した。

「先輩、IT企業経営してるんだから、ブログ書くの得意でしょ?」

「まあ、会社のブログは書いてるけど…」

「じゃあ、これを記事にしましょう。俺も協力します。」

「でも、誰が読むんだ?」

「SNSで拡散すればいいんです。バズれば、政治家の目にも留まる。メディアが取り上げるかもしれない。」

「そして、誰かが動き出す。自治体がパイロット事業をやるかもしれない。国会で質問されるかもしれない。」

一人の声が、世論を作る。世論が、政治を動かす。政治が、社会を変える。

森山の目は、本気だった。

私は、少し考えた。

確かに、マイナスはない。

書いて、発信して、誰かが共感してくれれば、それでいい。

もし誰も共感しなくても、失うものはない。

マイナスゼロ、プラス無限大。

「わかった。やろう。」

私は、そう言った。

「先輩、本当ですか!」

森山の顔が、明るくなった。

「ああ、本当だ。お前の話を聞いて、俺も動かなきゃいけないと思った。」

「俺たちの世代で、日本を変える。それが、次の世代への責任だ。」


第2章目次第4章

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